国宝

こくほう|----|----

国宝

レビューの数

197

平均評点

84.5(1152人)

観たひと

1496

観たいひと

63

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 2025
公開年月日 2025/6/6
上映時間 175分
製作会社 映画「国宝」製作委員会(製作幹事:MYRIAGON STUDIO/制作プロダクション:CREDEUS)
配給 東宝
レイティング PG-12
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督李相日 
脚本奥寺佐渡子 
原作吉田修一
(「国宝」(朝日文庫/朝日新聞出版刊))
企画・プロデュース村田千恵子 
製作岩上敦宏 
伊藤伸彦 
荒木宏幸 
市川南 
渡辺章仁 
松橋真三 
プロデューサー松橋真三 
撮影ソフィアン・エル・ファニ 
美術監督種田陽平 
美術下山奈緒 
装飾酒井拓磨 
音楽原摩利彦 
音楽プロデューサー杉田寿宏 
主題歌原摩利彦 feat. 井口理
(「Luminance」(Sony Music Label))
音響白取貢 
音響効果北田雅也 
照明中村裕樹 
編集今井剛 
衣裳デザイン小川久美子 
衣裳松田和夫 
肌絵師田中光司 
ヘアメイク豊川京子 
床山荒井孝治 
宮本のどか 
キャスティングディレクター元川益暢 
アソシエイトプロデューサー里吉優也 
久保田傑 
榊田茂樹 
制作担当関浩紀 
多賀典彬 
助監督岸塚祐季 
スクリプター田口良子 
VFX Supervisor白石哲也 
特殊メイクJIRO 
振付谷口裕和 
吾妻徳陽 
特機上野隆治 
宣伝プロデューサー岡田直紀 
歌舞伎指導中村鴈治郎 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演吉沢亮 立花喜久雄
横浜流星 大垣俊介
高畑充希 福田春江
寺島しのぶ 大垣幸子
森七菜 彰子
三浦貴大 竹野
見上愛 藤駒
黒川想矢 喜久雄(少年時代)
越山敬達 俊介(少年時代)
永瀬正敏 立花権五郎
嶋田久作 梅木
宮澤エマ 立花マツ
中村鴈治郎 吾妻千五郎
田中泯 小野川万菊
渡辺謙 花井半二郎

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

歌舞伎の世界を舞台にした吉田修一の同名小説を李相日が映画化、「悪人」「怒り」に続いて三度目のタッグを組んで贈る、壮絶な人間ドラマ。ヤクザ同士の抗争で父を亡くした喜久雄は、上方歌舞伎の名門・花井半二郎に引き取られる。そこで、将来を約束された半二郎の実子・俊介と出会い、互いにライバルとして芸に青春を捧げていく。血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切りのはざまで、人生をもがき苦しみながら歩んだ男が掴んだものとは……。出演は「ぼくが生きてる、ふたつの世界」の吉沢亮、「正体」の横浜流星、「ザ・クリエイター/創造者」の渡辺謙。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。抗争で父を亡くした喜久雄(吉沢亮)は、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介(横浜流星)と出会う。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる2人は、ライバルとして互いに高め合い、芸に青春を捧げるが、多くの出会いと別れが運命の歯車を狂わせていく……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2025年7月号

REVIEW 日本映画&外国映画:「国宝」

2025年6月号

巻頭特集 「役づくり」ってどんなこと? 俳優たちに聞いてみた:インタビュー 吉沢亮、横浜流星、渡辺謙「国宝」

2025/11/17

2025/11/17

100点

映画館/神奈川県/イオンシネマ海老名 


音声ガイドつきで3度目

ネタバレ

劇場で2度観てたんだけど、先週末に歌舞伎指導(中村鴈治郎)、振付(中村壱太郎)、監督による音声ガイド上映が始まった機会に3度目の鑑賞。
まず、演目の解説や物語との関連性の指摘が興味深い。本職から見た、吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、田中泯の役への取り組みに対する賛辞にも感動すらおぼえる。
そして、万菊の楽屋にあった人形が、数十年後彼が余生をおくるボロアパートにも置かれている、とか、そこで喜久雄に渡された代々引き継がれてきた扇子が、国宝指定記念舞台の楽屋にも置かれている、などの「芸の継承」を表す、でも気づきにくい演出裏話もすごく面白い。
終盤の「曽根崎心中」「鷺娘」の豪華な劇場がスタジオセットだというのにも驚愕。
このためにイヤホンを購入したけど、その値打ちが十分ありました。

2025/06/13

2025/11/16

80点

選択しない 


エキストラに参加して

かなり遅くなりましたが、今年話題のこの映画について書きます。

実際は公開してから1週間以内に観たのですが、
もうパンフは完売の状態で、これだけで人気作品だということが手に取るように分かりました。

エキストラで京都東映撮影所へ行ったのは、去年の秋前。
まだ暑かった頃です。
どうしても監督の作品に参加してみたかった。
メイクとヘアーセットをして、観客席端の前から5番目くらいにスタンバイしました。
待ち時間はかなりありましたが、ひとりが好きなのでまぁまぁ楽しめました。ロケ弁もいっぱい出ましたし。

監督により映画の作り方は異なるのですが、
李監督の演出力はさすが名監督だけのことはあります。
最初、助手の方からサクッとこんな場面ですという案内はあるのですが、それだけではフワッとした感じしか皆さん掴めませんでした。
その後、監督が補足というか、場面の真髄の説明がありました。
この舞台がどういう経緯で行われるのかという案内があり、
横浜流星さんの演技力と相まって、
リハ含め4回涙が自然に流れてきました(映ってないけど)。

美しさは吉沢さんですが、横浜さんは演技力が半端ないです。
それより上回ったのは田中泯さんの化け物。
映画では誰をも食うインパクトでした。

さて撮影ですが、監督は丁寧な作り方をします。
同じシーンを各角度で、更には手だけとか、音だけとか何テイクも撮るんです。
編集もたいへんそうですが、演じる役者さんもワンテイクではすまないので、
同じ感情を何回も演じるのは、並々ならぬ苦労だった事でしょう。

完成された映画は、その完璧さの賜物でしょう。
芸術的に美しい。

でもよく比較されているようですが、
京劇を題材にした『さらばわが愛〜覇王別姫〜』と比べると生死や激動の時代背景がない分、やはり生チョロい。
長い原作をコンパクトにまとめたせいか、
どん底に落ちた登場人物達がいとも簡単に這い上がってきている。

また李監督としてもベストではない気がする。
吉田修一氏との相性はいいはずなのですが、『怒り』ほどの閉塞感もない。
『フラガール』ほどの昭和の汚なさもなく、ただ昭和が美しくみえる。(衣装や髪型が大変そうだったのは見てましたが)

全世代に対応しこれだけ話題になり、丁寧に作られた作品であるから、
各賞を総ナメにするのは明らかなのですが。

2025/06/10

2025/11/08

80点

映画館/神奈川県/川崎チネチッタ 


伝統芸能へのリスペクト

 開巻早々、渡辺謙演じる歌舞伎役者の花井半二郎(のちの花井白虎)が田舎歌舞伎の女形で舞う少年時代の主人公・喜久雄に見惚れるシーンが素晴らしい。半二郎ならずとも我々観客もその美しさに魅了されてしまう。のちに息子の俊介を置いてまで己が名跡を継がせようとするその思いに納得せざるを得ない説得力がここにある。映画本筋の流れを決定づける見事なつかみである。

 そして随所に登場する歌舞伎演舞の美しさ。「連獅子」「二人道成寺」「曽根崎心中」「鷺娘」等々、歌舞伎にはそう詳しくない筆者でもその標題くらいは聞いたことがある。歌舞伎ファンにとっては堪らないこれぞ歌舞伎、という定番の演目であろう。映画作品中で見られるのはどれもその一部であり演目中のクライマックスともいうべき部分なのだが、そのどれをとっても圧倒的な訴求力がある。踊る喜久雄と俊介、演じる吉沢亮と横浜流星、よくぞここまで歌舞伎役者になり切ったと、称賛すべきところだと思う。

 田舎歌舞伎の出である主人公が半次郎を襲名し人間国宝にまで昇りつめるその人生模様、片や歌舞伎名門の御曹司に生まれながら実力では常に二番手の評価に甘んじ一度は歌舞伎界を去りながらも舞台に復帰し、名門花井屋の血筋を表す半弥を襲名する半次郎の息子。さらにその半弥の子がのちに白虎を継承するという歌舞伎社会の伝承。人間国宝として必要なものは血筋なのか才能なのかという、この物語の重要なテーマがここに秘められている。

 こうして見てくると、これは一見華やかな画面構成の中に実に奥深いテーマを含んだ重厚な作品なのだと思う。つまるところこれは、映画ファンというより日本の伝統芸能である歌舞伎ファンに向けた作品なのではないかとも思う。その意味では実に高尚な映画なのである。その核心にあるのは伝統芸能へのリスペクトだ。今年の映画界に大きなインパクトを与えつつある本作。今見るべき映画の一つであろうことには間違いない。

2025/10/26

2025/10/30

80点

映画館/東京都 


映像と世界◎ストーリー△

ネタバレ

華やかな世界、映画館の大スクリーンで没入できて良かった。

ここ数年の大河で見た俳優のオンパレードで面白かった。
女形としては横浜流星の方が色っぽくて好きだ。
大河の稽古しながら映画の稽古もしていたわけで、改めて俳優ってすごいし過酷な仕事と思う。
当然と言えば当然だけど、この映画は本物の歌舞伎俳優が演じると意味が変わってくる。

ストーリーそのものにはあまり没入できなかったと思う。
喜久夫が生まれついての女形であるという、その天才性が際立つエピソードが、もっとあればいいのにと思った。
友情・恋愛・師弟関係・人生紆余曲折etc全部詰め込んだ結果、歌舞伎がテーマではなく、モチーフである感じ(元々そういう意図かも)。
脚本や演出もいろんな話の詰め合わせのようで、正直それほど感動するものではなかった。
とにかく演技、世界観、細部、色づかい、そんなところに心が動いた。

エンドロールで主題歌の作詞が坂本美雨だと知った。
新宿歌舞伎町タワーの109シネマで見た意味と甲斐が増した。
音楽と音響最高。

2025/10/27

2025/10/27

90点

映画館/愛知県/TOHOシネマズ赤池 


芸術家とは何か?

ようやく観ることができた…。ずーっと見とれるほど素晴らしくて、何よりも撮影とキャスティングの勝利ではないか? 歌舞伎というより、「芸術家とは何か?」についての回答のような物語。主役二人の人生の起伏が激し過ぎて、そこは少しやり過ぎ感があった。

2025/10/25

2025/10/26

95点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


絶対みると思っていた映画

前評判が良かったけど3時間の長編で、観るか悩んでいた。衣装や舞台が素晴らしく、これは映画館で観るべき作品だと思いました。主役の2人は大河ドラマの撮影や準備がある中、歌舞伎の稽古もしていたのかと尊敬に値する。所作もとても美しい。映画の後、一緒に観た次女の「主人公はあれで幸せだったのだろうか?」と呟いた姿がこの映画の全てかと思う。